2015.12.26
柔道整復理論からみる・むち打ち損傷⑧腕神経叢麻痺
- 手首から先は動くが、肩や肘が動かす事が出来ない。
- C5〜C7神経損傷の場合に生じる。
- 手の甲の方に動かす事が可能であればC7神経は損傷していないと考えられる。
- 肩の外転(横に開く)・外旋(腕相撲の負ける動き)・肘屈曲(肘を曲げる)が主に困難になり、肩を内転(開かず閉じる動き)・内旋(腕相撲で勝動き)、肘関節を伸展(肘を伸ばす)、前腕を回内(肘から下・上を手のひらから甲に変える動き)、手首を掌屈(手のひら側に曲げる)尺屈(小指側に曲げる)、手指を屈曲(曲げる)させた典型的な腕の状態になる。
- 手首から先が動かせないが、肩や肘は動く状態
- C8〜T1が主の障害で、C7頚神経の障害の一部を含む場合もある
- 生後からの下位型の麻痺は非常にまれである。全型麻痺で生まれ、上位神経根が不完全に回復し下位神経根に麻痺が残る場合がほとんどである。
- 全型麻痺が部分的に回復した下位型麻痺には、肩や肘といった上位神経根に支配される筋肉に同時収縮(交叉神経支配)されることが多い。
- 腕全体が動かない状態、完全弛緩性麻痺(完全に脱力の状態)
- T1神経に完全な損傷を免れている場合が多く、その場合、指を曲げることだけは可能である
- 交叉神経支配が著明に出る症例もあり、このような状態も全型麻痺に分類する